- 2017.12.22
大崎×五感② 香りのお土産
感覚ミュージアムでは、五感を使う様々なワークショップを体験することができる。今回は、嗅覚と触覚に触れるハンドメイドアロマソープ作りに参加してみた。
ちょっと疲れている時や、ほっとしたい時に使うアロマオイル。このワークショップでは、感覚ミュージアムオリジナルブレンドのアロマオイルを使用して、自分だけの石鹸を作ることができるのだ。
香りは3種類の中から好みのものを選ぶことができる。それぞれ嗅ぎ比べて、ヒノキ・モミ・マツの香りが調合されたオイルを使うことにした。モミやマツの香りはこれまでに意識して嗅いだことがなかったが、甘すぎず強すぎず、心地良い香りが気に入った。
オイルを加えた石鹸素地を両手でこねるところから石鹸作りはスタートする。つぶつぶの素地に少しずつ水を加えながら、固まるように揉み込んでいく。手を動かすたびにアロマの良い香りが鼻腔をくすぐり良い気分になる。そして、ひたすらこねる作業は何時間でも続けていられそうだ。
10分ほど揉み込んでぎゅっと固まった石鹸を好きな型に入れ、仕上げにスタンプを押す。熱風を当てて表面が乾燥したら完成だ。手作りらしい歪さはあるけれど、自分で作った石鹸には特別感がある。使ってしまうのが少し勿体なく感じた。
手を使い、耳を澄ませ、香りを嗅ぎ比べ、この1日で自分の中にある感覚をフル活用した。普段の生活の中では、これらの感覚をあまり活用していないということも痛感する。感覚は生きるために必要なセンサーだ。そして、音や香りと出会うことで、日常がより豊かになる。
小さな音やかすかな香り、触感などは都会の雑踏の中でかき消されてしまいがちだが、自然豊かで穏やかな大崎市だからこそ、忘れていた五感に再会することができたのだと思う。
ミュージアム内には、大崎市の美味しいブルーベリーシェイクを味わえる「カフェるぽ」があるが、残念ながらこの日はお休み。次に来た時にはぜひ味わいたい。
大崎市の魅力は他にもある。感覚ミュージアムから約40分ほど車を走らせると、奥州三名湯に数えられる鳴子温泉郷に辿り着く。温泉街に入るとどこからともなく硫黄の臭気が。街のあちらこちらから、温泉の香りが漂ってくるのだ。
また、鳴子温泉のシンボルにもなっている鳴子こけしの専門店がいくつも並んでいる。
せっかくなので、世界トップクラスの酸性度を持つ潟沼や、高さ94.5mのアーチ式コンクリートで作られた鳴子ダムにも立ち寄った。静かで雄大な景色によって、またしても感覚が研ぎ澄まされるような気がした。鳴子ダムを後にしようとした時、ダムの上に見事な虹が現れた。他に観光客の人影もなく、この特別な景色を独り占めすることができた。
鳴子ダムから羽後街道を荒雄湖に沿って北上すると鬼首(おにこうべ)間欠泉がある。ここ周辺の鬼首温泉も、鳴子温泉郷の中のひとつだ。温泉が地面から吹き出す様を見てみたかったのだが、この日はなんと定休日。間欠泉にも定休日があることに驚いた。
間欠泉は見ることができなかったが、その近くにある地獄谷遊歩道を散策すると、湧き出る温泉を間近で見ることができる。「ボコボコ」「ゴゴー」という音が山の中に響き、蒸気が頭上から降ってくる。生卵を持参すれば温泉卵を作れると聞いていたので、備え付けのざるを使ってお土産用の温泉卵を作ってみた。
それから、大崎市の味覚も忘れてはならない。鬼首産の蕎麦粉で作ったごぼう天蕎麦をいただくことに。蕎麦にはこしがあって美味しい。地元産の材料が使われているので、ここに来たら絶対に味わいたい一品だ。
自分の五感をフル活用し、大満足の旅となった。帰りの新幹線で気づいたが、今回の旅では硫黄泉の良い香りもお土産にして、東京へ持ち帰ってきたようだ。
<感覚ミュージアム>
宮城県大崎市岩出山字下川原町100
電話:0229-72-5588
開館時間:9:30〜17:00(最終入館は16:30)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)、年末年始
入館料:大人500円/高校生300円/小・中学生250円
交通:仙台駅より東北新幹線古川駅まで
古川駅より陸羽東線岩出山駅まで
岩出山駅から徒歩約7分
ワークショップは予約制。詳細はHPを参照。
http://www.kankaku.org
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