- 2018.01.17
ハンス・クリスチャン・アンデルセン展
ハンス・クリスチャン・アンデルセン展 ―いつもそばにアンデルセンがいた―
2017年12月20日(水)渡邉 理絵
― きっと誰かに伝えたくなる ―
ソラマチにある郵政博物館で「ハンス・クリスチャン・アンデルセン展」が昨年12月より開催されています。巡回展ながら、今まで開催された他の展覧会と違うのは、郵政博物館らしくアンデルセンが生きていた時代のデンマークの郵便に関わる資料や、アンデルセンの作品に関わる切手の展示があることです。郵政博物館が所蔵する資料の他、デンマークのオーデンセ市立博物館の一つであるハンス・クリスチャン・アンデルセン博物館の貴重な資料も展示されています。
さて、今回注目したいのは企画展のチラシやポスターのイラストを担当しているNaffy(なふぃ)さんです。神奈川県在住の日本人のイラストレーターで、アンデルセン童話のイメージにぴったりの作風で優しく温かいイラストを描いています。今回の企画展ではチラシやポスターになったイラストの原画の他、アンデルセン童話をモチーフにした作品や、郵便をテーマに描き下ろした新作「森の奥の郵便局」などを展示しています。
Naffyさんは鉛筆やつけペンで線画を描き、PCで取り込みPhotoshopで着色をするという手法でイラストを描いているそうです。近くで見るとまるで直接絵の具で塗ったかのような自然な柔らかさが不思議にも感じられ、思わず覗き込んでしまいます。
- 「おやゆび姫」
- 「みにくいアヒルの子」
- 「マッチ売りの少女」
- 「雪の女王」
一編の物語を一枚の絵に収めた作品も魅力的ながら、長編を絵本のように描いた作品もあり、一枚一枚が力作で見応えがありました。
これは「MAMAYONDE!」という絵本に掲載された「人魚姫」の挿絵です。
アンデルセン童話によく出てくる苦難や困難といった場面を単に暗く重苦しい色調で表現するのではなく、登場人物の揺れ動く微妙な心情や心象風景を繊細にとらえ表現しているように感じました。
さらに、今回のNaffyさんの絵は、なんと郵便のオリジナル記念小型印(消印)としても楽しむことができます。すでに終わってしまった消印もありますが2月3日と4日には白鳥の子(みにくいアヒルの子)が押されますのでぜひ訪れてみたいですね。手紙に切手を貼ってあれば押してもらえ、その場で投函できます。
また、通年利用できるのが「絵はがきクリエーター」という自分の顔を取り込んだ絵はがきの作成や、「Go! Go! ポストマン」という郵便配達を体験できるシミュレーションなど。スカイツリーの形をしたポストもあり、限定消印が押してもらえる日でなくても、ここで投函すればスカイツリーの消印が押されますので来館の記念になります。郵政博物館では、手紙を出すのが楽しくなる仕掛けがいくつもあります。
ところで、アンデルセンは童話作家としてだけではなく、切り絵作家としても活躍していたのをご存知でしょうか。ハンス・クリスチャン・アンデルセン博物館の所蔵する切り絵の作品は想像するよりも大きく鮮やかで、思わず惹きつけられました。
デンマークではこの切り絵のカードがよく売られているとのことで、今回ミュージアムショップでも切り絵をモチーフにしたカードを手に入れることができます。Naffyさんの作品もポストカードになっています。ショップには切手やポストの用意があり、館内にはペンなども用意してありますから、アンデルセンの世界を堪能した後は、その余韻を手紙で誰かに届けてみるのもいいかもしれませんね。限定の消印が押してあればそれは最高の手紙になるでしょう。
招待券をプレゼント!
本コラムの読者の皆さまに感謝を込めて、抽選で5名様に今回の「ハンス・クリスチャン・アンデルセン展」の招待券をプレゼントします。メールフォームの件名を「アンデルセン」として、「お名前」「メールアドレス」、内容欄に「送付先の郵便番号・住所」を明記のうえ、ご応募ください。
応募締切:2018年1月23日(火)
ご応募はこちらから!
日本・デンマーク外交関係樹立150周年記念
ハンス・クリスチャン・アンデルセン展 ─いつもそばにアンデルセンがいた―
会 期:2017年12月9日(土)〜2月12日(月・祝)
時 間:10:00〜17:30(入場は17:00まで)
休館日:不定休(機器等の保守作業のため1月17日(水)、31日(水)は休館)
会 場:郵政博物館(墨田区押上1-1-2 東京スカイツリータウン ソラマチ9F)
http://www.postalmuseum.jp/event/2017/10/andersen.html
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