- 2014.12.02
Ryan Su(ライアン・スー)新作絵画展
2014年11月22日(土) *湊 るい*
こんにちは。コートが手放せない季節になってきましたね。ヒューっと吹く風から身を守りながら、お目当てのRyan Suさんの作品を観に銀座のギャラリーへ向かいました。
今回紹介するRyan Suさんは、白と黒の動物の絵が印象的な、台湾人アーティストです。実は、以前別の展示会で彼の絵を観た事がありました。その時の感想は、『派手ではないが、目を引くリアルな絵だな』ということ。そして、何か心惹かれるものを感じていた私は、今回インタビューを試みました。
Ryanさんの絵の特徴は、黒いキャンバスに、光り輝く白い動物の絵。手を伸ばせば柔らかな感触が確かめられそうな、置物のような存在感。そして温かみのある優しいタッチ。技法はアクリル画だそうです。
それでは、早速インタビュー開始です。
まず、白と黒の絵の意図とは。
「絵の具の色を全部混ぜると黒になり、光を集めると白になります。いずれも根源的な色です。生き物全て、もともと内側に秘めた希望や光が、自分達の中にあることになかなか気付きません。希望の光は、闇があればこそ光るのです」
そういった精神的な象徴として、黒の背景に白の動物を描くという手法を取っているとのこと。確かに、白い動物の中に光がたくさん見えますね。
時として私達は、愛や希望を外側に求めがちだが、自分たちの内なる個性に気付いて欲しいうメッセージなのだそう。
また、動物をモチーフとして使っていることに対しては。
「昔から、動物は人間の良き仲間です。例えば、犬や猫等のペットは嬉しい時や悲しい時に寄り添ってくれる存在なのです」
あー!分かります。たまに、ペットに『あなた、私の気持ちが分かるのね?』とシンパシーを感じたり、話しかけたりもしますよね。(しませんか?)
ちなみに、上の写真の犬達。頭に載せている、リンゴを日本の象徴、スイカを台湾の象徴と捉え、お互いの好きなものを『あなたの方が大事だからあげるよ』というコンセプトの絵です。これも相手の気持ちに寄り添うということ。今回、日本に招待してくれてありがとうという意味も込めているそうです。確かに彼の絵の動物達を見ると、その時々の感情に共感してくれそうな表情をしていますね。
また、彼は作品に、置物や彫刻のような質感を伴わせたいという。
「置物は生き物を飼わずとも愛でることが出来ます。また、台湾で幼少時代よりそういった置物に囲まれてきたことも結びついています」と。
動物や置物は、人を喜ばせるシンボルでもあるとして、彼の作品にも反映されているのですね。
また、彼の作品で重要なのが、動物の目なのだとのこと。一見かわいいけれど、とても力強い目をしています。その眼差しから、自分たちが内側に持っている希望の光に気付いて欲しいと、人々に訴えているのです。
このように、彼の作品に一貫することは、観た人々に希望を与えたい、勇気づけたいという願い。
皆様は、動物達に何を感じましたか? 忙しい日々の中、ふと立ち止まって、自分の中で眠っている愛や希望に目を向けてみては?
◇Ryan Su(ライアン・スー)新作絵画展◇
期間:2014.11.11(火)〜11.29(土)
時間:11:00〜19:00/月・日祝休
場所:MEGUMI OGITA GALLERY
東京都中央区銀座2-16-12銀座大塚ビルB1
料金:無料
<近日イベント>
◇Ryan Su(ライアン・スー)新作絵画展◇
期間:2015.2.13(金)〜2.28(土)
時間:11:00〜19:00/月・日祝休
場所:Showcase MEGUMI OGITA GALLERY/東京都中央区銀座5-4-14銀成ビル4F
料金:無料
Ryan Su (ライアン・スー)/蘇修賢
1979年台北で生まれる。国立台湾芸術大学を卒業した後、Tunghai大学で修士課程を修了。現在は台北の公共芸術施設Banqiao 435 Art Zoneを制作拠点として精力的に活動を広げている。2014年には同館で自らキュレーションを手がけ、アジア初のノーベル文学賞を受賞したインドの詩人タゴールの詩を引用し、子どもの持っている創造力をテーマとした大作展が自由時報新聞に特集されるなど、その作家性の高さが近年大きく評価されている。
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