- 2014.06.10
Satisfaction Guaranteed
「ペンアート」「キャラクター」「英国ジョーク」
2014年6月5日(木曜日)ぽつぽつ雨
ロンドンを拠点に活動するグラフィックアーティストのイアン・スティーブンソンの個展、『Satisfaction Guaranteed』を見に表参道のPaul Smith SPACE Galleryへ行ってきました。スティーブンソンさんの作品はブリティッシュジョークに富んでおり、見る者に独特の笑いを与えてくれます。彼のジョークが面白い人にとっては、大量のドーパミン(快の感情を感じる物質)が放出されること間違いないでしょう。デューク大学のワトソン博士曰く、「快の感情はドラッグやセックス、お気に入りの音楽を聞いたときなどと同じ反応で、これは人が生きていくのに非常に重要な基本的な喜びという感情」だそうです。また、「ジョークを理解したときは快の感情だけでなく、脳の正面 (学習や意志決定に関係した部分) も活発になる」*、というのです。こちらは俗に言う「アハ体験」ですね。私はこの「アハ体験」の快感がたまらなく好きで、それもあって色んな物事にアンテナを張り巡らせています。そしてスティーブンソンさんがその快の感情を大いに引き出してくれるのです。
ポール・スミスのショップ3階の広々としたギャラリーは、大きな窓から日差しが差し込みむとても気持ちよく鑑賞を楽しめる空間になっています。イアンさんにとって日本初の個展で、全作品が今回のために描き下した1点もののオリジナルです。
1階の階段付近には“DRINK ME”(私を飲んでよ)と不満そうな顔の描かれたマグカップが並べられています。
階段を上がっていくと、ポール・スミスが切り取った3次元の風景の写真と、スティーブンソンさんのアートワークがコラボレーションしたユーモアのある可愛いTシャツが飾られています。
2階では缶バッジやゴミ袋などのグッズが販売されています。“TAKE ME HOME”(家に連れて帰ってよ)とゴミ袋は描かれたとてもシュールでクスッと笑ってしまいます。そのゴミ袋に描かれたアートの顔が純粋で、何も知らない子どもが置き去りにされてしまった、というような表情をしているのでゴミだけれど、思わず家に持ち帰ってしまう!?ことになりそうです(笑)。
次は何があるの!?次はどんな面白いものが見れるんだろう?と、ワクワクしながらフロアを回りました。私のお気に入りはミッキーに似たキャラクターのアートワークです。ミッキーもどきが“DISNEY WON’T LET ME IN THE PARK”(俺ってディズニーランドで入園お断りだって)と手を挙げて話している姿が「だって、ミッキーの著作権法外でしょ。」と突っ込みを入れたくなる面白さがあります。いくつかネタばれをしてしまいましたが、他にもたくさんのドーパミン放出作品が飾られていますので、ご自身の目でご鑑笑ください(笑)。今回はアハ体験100連発の「友華乃ぶらりアート」でした。
『Satisfaction Guaranteed』
期間:2014年5月16日〜6月15日
時間:月〜金 12:00-20:00 / 土日・祝 11:00-20:00
水曜不定休
場所:Paul Smith SPACE Gallery
東京都渋谷区神宮前5-46-14 3F
TEL: 03-5766-1788
料金:無料
HP:http://www.paulsmith.co.jp/paul-smith-world/exhibition/ian-stevenson-satisfaction-guaranteed
Ian Stevenson (イアン・スティーブンソン)
ロンドンをベースに活躍するグラフィックアーティスト。本人の言葉を借りるならば、「ごく普通のミドルクラスの男のベッドルームに乱雑に積まれた玩具のように」イアンの頭の中には沢山アイディアが詰まり、イタズラ描きのようでありながら社会を痛切に風刺する作品で知られています。彼の作品は壁や大きなゴミ箱、トイレ、Tシャツなど多岐に渡り、一つのキャンバスの上に留まることはありません。また、コンピュータ全盛の中でイアンはいまだに固くペンを握りしめ一つ一つの作品を完成させます。
引用:Paul Smithホームページ
*「脳のユーモア回路・笑いを理解する瞬間」
http://www.authority-site.com/2010/03/lifehack/when-your-brain-gets-the-joke.html
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